2014年5月14日水曜日



国内最大規模のバイオディーゼル発電所 燃料はパーム油

http://www.kankyo-business.jp/news/007713.php

新電力(PPS)業務の支援を手がけるエナリス(東京都足立区)は、12日、非食用パーム油を原料とするバイオ燃料を使用した、国内最大規模のバイオディーゼル発電所を新設すると発表した。稼働開始日は平成26年12月中を予定している。
同社は、バイオ燃料という環境に配慮した燃料を使用したクリーンな発電を行うことで、需要家のニーズに応じた電力購入の選択肢を提供する。自社開発の電源を確保することによって、同社が推し進める電力代理購入サービスや、幹事となるPPSが複数のPPSを取りまとめるバランシンググループ(代表契約者制度)への電力の安定供給に寄与する。
同社はバイオ燃料による発電事業のさらなる推進を計画しており、現時点では平成27年12月期までに出力計161MW(総投資額200億円)の投資を計画している。

原料は東南アジアのパーム油

同社が新設する発電所において使用するバイオ燃料は、インドネシアを始めとする東南アジア諸国から現地企業を通じて調達する予定。これに伴い当社は安定的な燃料確保を目的として、グリーン燃料開発(東京都北区)と共同でバイオ燃料調達・精製事業に関して提携を行うことを検討するにあたり、基本合意書を締結した。
グリーン燃料開発の子会社でインドネシアにてバイオ燃料開発を推し進めているPT. Indonesia Green Fuel Developmentに同社が共同出資して燃料の供給体制を整備し、安定的かつ価格競争力が伴った電力供給を目指す。
同社による調査では、現在マレーシア、インドネシアともにパーム油は3000万トン程消費されており、うち約10%(約600万トン)が非食用として市場に流通している。担当者は同発電所で使用する分の原料調達は目途がついていると話す。
同時に燃料の精製から供給まで一貫して手掛けることでエネルギー流通のトレイサビリティー(追跡可能性)を明確化する。なお、トレイサビリティーについては、畑まで追跡するのは困難であるため、集荷されてくるポイント(工場)まで、原料のトレイサビリティーを確保する予定。また、原料自体の持続可能性確保については現在検討中。

市場拡大にあわせ事業拡大

平成28年からの電力小売りの全面自由化に向けて、法整備も進められており、同社グループが事業展開する市場規模は、さらなる拡大が見込まれている。今回、同社は、5月12日開催の臨時取締役会にて、バイオ燃料によるディーゼル発電所を建設する計画を決議した。また、併せて、電源開発にあたって運転資金及び設備投資資金を確保することに加えて、自己資本を拡充し財務基盤の確立すること等を目的に、資金調達を行うために新株式発行及び株式を売り出すことを決議した。
同社はこれまで電源開発事業にて、太陽光発電の構築に加えてバイオマス・バイオガス発電の構築にも積極的に取り組んできた。今後は、同社グループが有する需給管理ノウハウを活かして電力代理購入サービスの取扱量拡大を図る一方で、太陽光発電やバイオマス発電、バイオディーゼル発電等の電源開発に取り組むことで、再生可能エネルギーによる電力の地産地消、自産自消モデルを先駆的に構築し、全国各地で新電力の新規参入を支援していく考えだ。
なお、新電力(PPS)は一般電気事業者(電力会社)以外で、50kW以上の高圧電力を必要とする大口需要家に対し電気の小売り供給を行う事業者をいう。バランシンググループ(代表PPS:Power Producer & Supplierの略)は、電力会社の託送供給約款で認められている代表契約者制度のことで、幹事となるPPSが複数のPPSを取りまとめることにより、参加した各PPS間でインバランスを調整してインバランスコストを低減することを目的としたスキームをいう。

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