2014年5月14日水曜日

水上ソーラー ブレークの兆し



水上ソーラー ブレークの兆し
http://www.kankyo-business.jp/column/007683.php

太陽エネルギーは、日本のような資源小国にとっては、貴重な「国産エネルギー」だ。しかも、日本は、北欧などと比較して日照条件が良い。2012年7月に始まった固定価格買取制度の後押しもあり、日本の太陽光発電は急成長を続けている。ところが、制度開始から丸2年もたたないうちに、早くも弱点が現れた。用地不足である。
筆者は、用地確保のため、ソーラーシェアリングを含む農地の活用や、山林開発を進め、また、工場などの屋根の総動員も提唱している。そんな折り、太陽光発電にとって、非常に有望なスペースが出てきた。それは土地でもなく、屋根でもない。水面である。

ひまわりの丘ため池ソーラー

最近、各地で、水面を活用したフロート式太陽光発電が設置されるようになった。そこで、筆者もその一つを見学してきた。場所は、兵庫県小野市の浄谷(きよたに)新池。ひまわりの丘公園に隣接する農業用ため池を活用した実証実験施設である。
瀬戸内海地方は雨が少なく、農業はため池頼みである。日本全国には21万ヶ所のため池があるというが、その実に20%にあたる4万3000ヶ所が兵庫県に集中している(平成24年4月1日現在)。雨が少ないということは、日照条件が良いということだ。ため池ソーラーへの期待が高まる。
兵庫県小野市周辺のため池群
兵庫県小野市周辺のため池群
出所:Yahoo!地図に筆者加筆
浄谷新池の満水面積は2.4ha。1MWは楽に設置できる規模だが、ここに、20kWのフロート式の発電設備を2基設置した。
管理するのは、小野市浄谷町自治会。施工したのは、(株)環境資源開発コンサルタント(大阪市、代表取締役金城義栄、以下「環境資源開発」)。平成25年7月15日に発電を開始した。

二つのパターンを比較

水上ソーラーでは、強風時の波の影響を考慮する必要がある。また、自然の湖水などと違って、ため池の場合には、底を掃除するために池干しという作業を行うのだが、その時には水がなくなり発電装置は着底することになる。
そこで、このため池ソーラーでは、波や池干しへの対応具合を比較するため、パターンI(1号機)、パターンII(2号機)という、二つの設備を並べて比較研究している。
二つのパターンの主な違いは、パネルの傾斜角と係留方法だ。パターンIでは、傾斜角10度、係留方法は陸地からワイヤーで係留。パターンIIでは、傾斜角を20度とし、池底に沈めた錘(アンカー)でフロートの四角から引っ張る。両者に共通なのは、中央部分の装置から散水していること。
筆者が訪問した4月24日には、傾斜角20度の2号機の方が発電量はやや多かったが、環境資源開発の金城代表によると、累計ではほとんど差がないとのことである。
実証実験中の水上ソーラー(20kW×2基)
兵庫県小野市
実証実験中の水上ソーラー(20kW×2基) 兵庫県小野市

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